MK-108、303、505を使用した小型赤外線センサー音声発生装置
MK-108(またはMK-109) 10秒ボイスレコーダーボートとMK-303 赤外線センサーモジュールとMK-505(またはMK-506) 乾電池で5V出力DCDCコンバータを使用した人または動物の動きを検出すると、録音した任意の音声メッセージを再生する装置です。
乾電池1本(または2本)で動作するので、電源のない場所でも使えます。
◆展示会場で自社ブースの製品の前に取り付ければ、お客さんが前を通ったときに「本日は、XXX社ブースにおいでいただきまことにありがとうございます。この製品は、・・・」、
◆お店の入口に取り付ければ、「いらっしゃいませ。本日の目玉商品は・・・」、
◆鳩害や猫害に困っている人は庭やベランダに取り付ければ鳩や猫が来たときに「コラー!」とか「わんわん」、
◆玄関に置けば帰宅した子供に「おやつは冷蔵庫にあるよ」とか。
人、猫、鳩などに自動的に反応して録音した音声を再生するので使用方法は無限です。再生するメッセージは10秒ですが、ユーザーが自由に録音できるので、自分の声でも、動物の声でも、なんでも再生できます。
マイコンキットドットコムの3種類のキット以外で追加する部品は電源スイッチ1個、ケース1個だけです。約300円の追加料金(秋葉原での実売価格。価格を保証するものではありません。)とケース加工を含めて約4時間で完成。
動作説明と使い方:
写真(1)が完成品です。
1.右側のスイッチが電源スイッチ。ケースのフタを開けて、スイッチを入れ、録音ボタンを押して、好きな音、声を録音します。最大10秒です(改造すれば16秒まで延長可能です(ハンダ付け、チップ抵抗交換、スキル必要)。詳しくは録音再生ICのデータシートを参照してください)。10秒はかなり長いです。
2.録音が終わったら電源をオフにして、フタをし、好きなところに配置します。
3.PIR(赤外線)センサーを検出したい方向に向け、電源スイッチを入れます。スイッチオン後、約1分PIR(赤外線)センサーは起動しません。ご注意ください。理由は、操作する人間が検出範囲から離れる時間を待つためです。
4.人や動物(猫や鳩など)が前を通過すると、録音した音・声を再生します。
以上のように使い方は簡単です。
回路説明と製作(上図):
1.ケース加工
型紙を切り抜き、ケースに低粘着のスプレーノリで貼り付けます(最初の写真の2と3)。ケースは100円ショップで購入したアクリルケースです。型紙どおりにドリルで穴を開け、加工します。加工後、下図のように配置します。すべて両面テープで取り付けています。写真の4は型紙をはがしたところ。写真5は裏面に向けたスピーカーの音を大きくだすためにスペーカー前部の両面テープを丸くくりぬこうとしているところです。写真6は側面で、スイッチが見えています。
2.電源にはMK-505(またはMK-506乾電池で5V出力DCDCコンバータ)を使用し、MK-108(またはMK-109)ボイスレコーダー内蔵のボタン電池3個は使用しません。取り外します。絶縁物(竹串など)で電池ホルダーの横を押すと簡単に外れます。MK-505(またはMK-506)を使用する理由は、MK-303PIRセンサーには4.7V以上の電源が必要だからです。
3.MK-303PIRセンサーが人または動物を検出すると、PIRセンサー出力に0.5秒間のTTL(正)パルスが発生します。
4.その信号出力がMK-108の再生用信号端子(またはスイッチ側の端子)に接続されており、電源電圧(5V)近くになります。
再生スイッチ入力は上りエッジで再生されますので、端子がTTL信号でハイレベルになると再生されます(詳しくは録音再生ICのデータシートを参照してください)。各部の配線は下図を参照してください。配線作業は極めて繊細で、温度制御された、先端の細いハンダゴテが必要となります。個の作業によりMK-108、MK-109が壊れた場合、保証の対象外となり、修理は有償となります。
考察:
1.今回はMK-108(またはMK-109)を使用していますが、鳩や猫を追い払うためのセンサー装置として使用する場合は、MK-102 列車音(汽笛など)発生器、MK-103 サイレン・マシンガン音発生器、またはMK-105 動物の声(猫、にわとり、牛、犬)発生器を使用することもできます。
2.消費電流
PIRセンサーの駆動時に常に約0.3mA程度流れます。オンになり、再生中は約50mA流れます。製作例で使用したMK-506(乾電池1本で5V出力)は2000mAhなので理想的には、新品のアルカリ電池でおおむね9時間程度は動作すると思います(展示会などでは朝10時から17時ころまで、1日は使用できる計算です)。電源が使えるところでは5VのACアダプタを使用してください。ただし、この製品は電源ノイズに影響されるのでACアダプタによっては、電源レギュレータが必要かもしれません。試してからご使用ください。
注意:
1.この製作例は、完成品ボードの改造が必要です。改造した時点でマイコンキットドットコムの製品保証はなくなります(本来は30日)。
2.MK-108(またはMK-109)へのハンダ付けは、かなり細かい作業となります。自身のない場合はおやめください。
3.マイコンキットドットコムの「免責事項」に繰り返し書いていますように、このキットおよびこの改造に対して発生したいかなる損害、損傷も、間接的、直接的を問わずマイコンキットドットコムでは責任を負いかねますことをご承知置きください。
オマケ:
マイコンキットドットコムでは、この製作例で作成した3種類のキットを組み合わせた製品を完成品として販売する予定で、現在、製造工場を探しています。自社で製造できる、販売したい、など、ご協力いただけるお客様はご遠慮なくマイコンキットドットコム店長までご連絡ください。
参考資料:
回路図(JPG)
ケース加工型紙(JPG)